ピロリ菌とは
ピロリ菌の電子顕微鏡写真
胃の粘膜にいる菌であり、正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。
感染経路は、経口感染であり乳幼少時に感染するとされ、家族間での感染も考えられています。
父・母または兄弟姉妹にピロリ胃炎やピロリ菌感染の方がいる方は、自分が感染しているか調べた方が良いでしょう。
ピロリ菌は、慢性胃炎(ピロリ胃炎)を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍やその他の病気※1の原因となることがあります。さらに長期間の観察で、萎縮性胃炎からの胃がんのリスクが高まることがわかっています。
ピロリ菌と胃潰瘍
※1 ピロリ菌が関与する疾患例
特発性血小板減少性紫斑病、胃MALTリンパ腫、機能性ディスペプシア、未分化型胃がんなど
胃カメラ検査・ピロリ菌検査と除菌療法について
(除菌療法には、胃カメラ検査とピロリ菌検査の両方が必要です。)
① 内視鏡検査を受ける方または受けた方(他院でもOK)
胃の状態(ピロリ胃炎の範囲や程度、胃がんの有無など)の確認ができていますので、ピロリ菌検査は保険診療として呼気検査※2または尿中・血中抗体検査にて、ピロリ菌感染を調べることができます。さらに感染が確認された場合には、保険診療にて除菌療法を受けることができます。
胃カメラ検査
② 内視鏡検査を受けない方
ピロリ菌検査ならびに除菌療法は医療保険が使えず、すべて自費診療(約15,000円)となります。
※2 呼気検査
ピロリ菌検査の一つで、診断薬を内服し、服用前後の呼気(吐く息)にて調べます。
約30分で結果のでる最も精度の高い検査ですが、胃酸を抑える薬※3を内服している方は正確に診断できなくなるので、尿中または血中抗体検査で調べます。
呼気検査
尿中ピロリ菌抗体検査
※3 胃酸を抑える薬の代表例
タケキャブ(ボノプラザン)、ネキシウム(エソメプラゾール)、タケプロン(ランソプラゾール)、オメプラール(オメプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)など